ビジネスを成功させる宇宙の法則

前回、藤田田氏の予言をご紹介しました。藤田氏はフルタイム(正社員)だけに頼る経営では儲からない時代になると警鐘を鳴らしました。

では、儲からない経営を改善するためには何をすればよいのでしょうか。ある法則を応用することで収益性を大きく高めることができます。

その法則とは、有名な「80対20の法則」です。ご存知の方も多いと思います。少数(20%)の原因が結果の大部分(80%)に影響するという法則です。少数の原因に集中することで大きな成果をあげるという考え方です。

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この80対20の法則を最初に発表したのは、ウイルフレド・パレートという19世紀イタリアの経済学者でした。パレートは統計資料を分析した結果、人口の20%が国富の80%を所有していることに気付いたのです。パレートの法則とも呼ばれるこのルールは様々な分野にも適用できます。

この法則はマクドナルドの仕組みの中でも様々な部分に応用されています。一番顕著なのはメニュー戦略です。マクドナルド兄弟はレストランの売上で80%を占める上位20%のメニューに特化して改革に成功しました。

また、店舗における人員比率もパート・アルバイト80%以上に対して、マネジャーは20%以下としました。正社員だけの経営に比べて人件費率も劇的に軽減されたのです。

現場も調理師や店長がしていた業務の80%以上をパート・アルバイトに権限委譲しました。店長は本来行なうべき20%の大切な業務に集中して、生産性を数倍にしたのです。

藤田田氏も著書「ユダヤの商法」の中で法則の重要性を説いています。宇宙の大法則「78対22の法則」です。この法則が世界経済を動かしているユダヤ人の基礎になっているとのこと。

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(藤田田氏から林先生に贈られた「ユダヤの商法」)

世の中の現象も同じです。正方形と内接する円の関係も、円の面積が78%に対して、残りの面積は22%です。空気中の成分も、窒素78%の割合に対して酸素等は22%の割合です。人間の体も水分は78%に対してその他は22%になっています。

ユダヤ人が世界の経済を動かすほどの成功を収めているのは、すべてにこの法則を応用しているからなのだと言います。ビジネスにおいても、この宇宙の法則を応用すれば成功するというのです。

「80対20の法則?」「そんな法則ぐらい知っているよ」と言う声が聞こえてきそうです。確かに知っている人は多くいます。しかしビジネスに応用している企業は非常に少ないのです。応用している少数の企業が成功しているのも法則通りかもしれません。

成功企業の20%に入るために、この法則を使って現場を見直してみてはいかがでしょうか。以下についてもう一度検証してみて下さい。経営改革の糸口がつかめるはずです。

・売上構成比の80%を占めるメニューは何ですか?

・売れ筋の上位20%のメニューに資源を集中させていますか?

・粗利益の高い上位20%商品やサービスを積極的に売っていますか?

・パート・アルバイトと正社員の総労働時間の比率は80:20以上ですか?

・社員が稼ぐために使っている時間は全労働時間の何%ですか?

・ビジネスにおいて大きな成果を上げる少数の項目は何ですか?

これらのことを頭で考えるのではなく、実際の数字で検証してみると驚くべき事実が判明するのです。

売上の80%を占める商品やサービス内容が何であるかを知らない人も多くいるはずです。しかも、ほとんどの人が簡単に売れるものには目もくれないで、中々売れないものを売ろうと必死に努力しているのです。

逆に、今まで気にしていなかった影響力の大きい商品に意識を集中するだけで、売上が10~20%アップすることも珍しくありません。

まず、「宇宙の法則」を応用して視点を変えてみてはいかがでしょうか。

Point 「大きな成果をあげる少数の原因に集中する」

中園 徹