現場のパート・アルバイト採用は誰がするべきか

パートさんの人材不足で困っている現場は多い。

では、現場パート・アルバイトの採用活動は誰がやるべきなのだろうか。ただでさえ忙しい現場の店長や社員が、人を採用するのは簡単ではない。

大手では、本部がパートさんの一括採用をするところも少なくない。あるいは、パートさんの採用を支援したり、代行したりするサービスも増えてきた。

私自身も経営する店が数店舗に増えた時、現場の店長に代わってパートさんの採用を一手に引き受けていた。理由は、現場に負担をかけずに業務に集中してもらうためであった。

もうひとつ理由があった。現場の若い店長では人を見抜く力が弱い。難しいことはさせない方がいいだろうという考えもあったからだ。

しかし、私がピープルビジネスに出会って教えられたことは真逆だった。林俊範先生は次のように言われていた。

「難しいことだから社員にさせなくてはいけません。はじめは必ず採用で失敗します。変な人を採ったりします。でも、失敗するから学んでいく。段々良い人を採用できるようになるのです。」

私は「そうなのかな・・」と半信半疑だったが、現場の店長にやらせるようにした。当然失敗もする。信じられないような人を採ったりすることもあった。

しかし、店長は自分で採用したから責任も感じている。基準に満たない人を採用して苦労するのは自分自身だ。そんなことを繰り返して少しずつ上手になっていく。

自分で採用しているから育成にも一生懸命だ。本部採用で店にあてがわれたパートさんの時とは、明らかに違う姿勢を感じる。何とか戦力にしようと必死だ。その分、辞められた時の落ち込みようも激しい。だから学ぶのだろう。

確かにお金はかかる。求人費用だってバカにならない。店長が「すみません。この間採った人辞めるそうです・・」などと平気な顔で言ってくると腹が立ってくる。しかし、それも人財育成なのだと教えられた。

店長は、自分の責任において部下となるパート・アルバイトを採用して育てる。それがピープルビジネスの基本姿勢である。

パート・アルバイト・マニュアルにはこう書かれている。

「マネジャーはパート・アルバイトの在籍人数の維持がうまくできなくても仕方がないと諦めてはいけません。どんな問題にも必ず解決策はあるからです。」

現場のパート採用は、現場が責任をもってやる。それが人財育成の基本となる。

 中園 徹