自分でビジネスを起こした人が共通して直面する問題。それは人材不足だ。
私も店を持って慢性的な人材不足に陥っていた。年間を通して人が十分に足りている時期などない。常に人不足とスタッフの離職におびえていた。
なぜ、人不足が解消されないのか?
林先生からリクルート活動について教えもらい自分の大きな過ちに気が付いた。それは人材の採用計画を立てていなかったことだ。
採用の計画とはいたってシンプルなものだ。「誰が、いつまでに、何人の人を、どのような方法で採用するか」を決めるだけである。
確かに「人が足りない!」とぼやいていたが、具体的な計画やアクションを立てたことはなかった。だから慢性的な人不足になっていたのだ。
マニュアルにはこう書いてある。
「リクルートは、継続的な活動であり、パート・アルバイトが足りなくなった時だけ行えば良いというものではありません。」
確かに私は人が足りなくなって慌てて動くことを繰り返していた。不足がないのに募集することなど考えたこともなかった。
正しいリクルート活動についてマニュアルには、次のように記してある。
「良いリクルート活動計画を立てるには、約8週間前から採用計画を立てて おく必要があります。8週間前に計画をすることにより、新しいパート・アルバイトの募集・採用活動する期間に約4週間、そしてトレーニングする期間に4週間の時間を十分に確保することができます。」
人材の確保とは、足りなくなってするものではない。約2か月前から、計画を立てて、採用までに1ヶ月、教育訓練に1ヶ月確保することが正しい。
方法を知るまでは、慌てて募集し、未熟な新人が現場に出ることでトラブルやクレームが続発していた。ところが計画を立てるようになってからは、トラブルは減って心に余裕が出てきた。
当たり前のことだが、人材の確保に必要なこととは、「いつまでに、何人を、どのような方法で採用して、トレーニングするか」を計画することだったのだ。
不思議なことに、期限を決めてどんな人がほしいのかを、具体的にイメージすると、本当に実現することも少なくなかった。
人材を確保するために必要なこと。それは「計画」である。
中園 徹