超短時間勤務こそ強い戦力

どの業界でも人材不足が叫ばれている昨今。「超短時間勤務」を戦力として活用しようという動きが活発になってきています。

8月27日のNHK総合の「ニュース シブ5時」で、「超短時間勤務」の主婦を戦力化されている㈱ベストライフさんが紹介されました。

ベストライフさんは、ブランド買取ショップを全国に展開されており、一部のブランド品鑑定をクルーと呼ばれるパート・アルバイトに権限委譲しています。

番組では、ベストライフさんのクルーである主婦の假屋仁美さんが取材を受けていました。假屋さんは、8歳のお嬢さんを両親の元に預け週2~3回・1日3時間程度勤務されています。月収は5万円前後。

番組の中で注目されたのは、店舗では業務の細分化をし、主婦ができる仕事の抽出を行なっている点です。ブランド品の鑑定という非常に専門的な業務を分解して、鑑定の流れをマニュアル化しているのです。

番組のまとめで、ベストライフのスーパーバイザー中島直輝さんは「主婦は時間管理能力が高く、短時間だからこそ集中して業務に取り組んで貰えます」と語っていました。

中島さんが言われるように超短時間勤務だからこそ生産性が高いのです。業務の内容によっては、社員よりもクルーさんの方が短い時間で効率よく仕事をこなすことも珍しくないのです。

しかも、この超短時間勤務という働き方を希望する方々には、假屋さんのようにとても優秀な人が多いのです。

超短時間勤務を希望する方は、かつては企業で活躍された子育て中の主婦やダブルワークをしたい方など、職務経験豊かな即戦力の人財です。

ただ、「週2~3回・1日3時間程度でもOK」という職場が少ないために、多くの優秀な人財が埋もれているのです。本当にもったいないことです。

世の中の人材不足の大きな要因として、働く人の都合に合わせてくれる職場が少ないことが挙げられます。

超短時間勤務を活用しようという企業が増えれば人材不足は解消し、しかも現場の生産性も大幅に向上させることができるでしょう。

そのために必要なことは、まず「超短時間勤務の人財を育成しよう」と思うことです。あとは超短時間勤務の雇用制度を整えればいいだけです。

超短時間勤務の人たちが活躍する社会になることを願ってやみません。

 中園 徹